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ブシャール結節(変形性指PIP関節症)

ブシャール結節(変形性指PIP関節症)の症状は?

指の第2関節(PIP関節)の痛み・腫脹です。

進行すると、指の可動域(曲げ伸ばし)が制限されるようになります。

女性に多く、家事(包丁や雑巾絞り)などで痛みが強くなることが多いです。

症例

第2関節(PIP関節)の腫脹

 

原因・診断は?

へバーデン結節と同様、加齢により第2関節(PIP関節)の軟骨がすり減ってしまいます。

原因は加齢の他、ばね指と同様にホルモンバランスなどの多因子と考えられています。

診断は、レントゲンで関節の隙間が狭くなることや骨棘(こつきょく)により確定します。

治療は?

テーピングが有効なことが多いです。

また、女性ではエクオール(サプリメント)が有効との報告もあります。

ブシャール結節に対する人工関節

ブシャール結節に対する手術は、人工関節となります。

シリコンタイプとメタル(金属)タイプの2種類あり、どちらも除痛(痛みがなくなること)に優れていますが、一長一短あります。

シリコンタイプ

  • 長所:指の可動域(曲げ伸ばし)は優れています。
  • 短所:長期的(早ければ手術後数年)に、シリコン人工関節が破損する(シリコンがちぎれてしまう)ことがあります。

メタル(金属)タイプ

  • 長所:関節の安定性に優れており、長期的にも破損は少ないです。
  • 短所:指の可動域はシリコンタイプよりも若干劣ります。
    また、年数が経つについて、可動域がすこしずつ悪くなることがあります。

このように、膝や股関節の人工関節ほど優れているものではありませんが、痛みがなくなるという大きなメリットがあります。

痛みで日常生活が制限されてしまう場合には、考慮してみてください。

人工関節置換術(メタル(金属)タイプ)

  • 麻酔:伝達(片腕)麻酔。
  • 手術時間:1時間程度。
  • 手術後の経過:手術翌日よりリハビリを開始します。
    手術後3〜4週間ほどで、家事など使用できるようになります。

術前・術後の様子

術前

指の可動域が制限されている。

術後3週

まだ腫れが残っているが、家事など使えている。

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