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ばね指

ばね指の症状は?

腱鞘炎(けんしょうえん)の1つで、典型的な症状は指の引っかかりです。

一度手を握ると、引っかかって伸ばせなくなります。

特に朝、指がこわばって完全に握れない、指が完全に伸ばせない(伸展制限)こともあります。

症例動画

 

原因は?

指を曲げる腱(屈筋腱)は、腱鞘というトンネル内を滑走することで指が曲がります。

また、腱の周囲には腱の滑りをよくするための滑膜(かつまく)があります。

その滑膜が炎症を起こして分厚くなると、腱鞘を通過しづらくなります。

原因は、手指の使いすぎやホルモンバランスなど、多因子と考えられています。

また、糖尿病、透析の患者さんは、ばね指が生じやすくなります。

 

日本手外科学会 手外科シリーズ 3. ばね指(断発指)を改変

診断は?

問診と触診によりほぼ診断が確定します。

エコーによる腱の引っかかりの確認も参考になります。

治療は?

保存治療(ステロイド注射、ストレッチ指導)を行います。

改善がみられない場合や、一度改善しても再発を繰り返す場合には手術を考慮します。

ステロイド注射は何回まで?

ほとんどの患者さんはステロイド注射で改善しますが、数ヶ月後に再発してしまう場合があります(腱鞘炎の程度がひどいほど、再発しやすくなります)。

だからといって、短期間にステロイド注射を何度も行うと、皮膚の変色や腱が断裂してしまうことがあります。

そのため、注射は2~3回までとするか、または、注射の間隔を十分に開けることが重要です。

ステロイド注射による皮膚の変色

 

腱鞘炎の手術

腱鞘切開手術

狭くなっている腱鞘を切開することで、腱が通過できるようにします。

 

日本手外科学会 手外科シリーズ 3. ばね指(断発指)から引用

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