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へバーデン結節

へバーデン結節の症状は?

指の第1関節(DIP関節)の痛み・腫脹です。

進行すると、関節の変形(骨が出っ張ったり、曲がってしまったり)が目立つようになります。

また、水疱(粘液のう腫)ができ、爪の変形がおきることもあります。

症例

第1関節(DIP関節)の腫脹・変形

 

粘液のう腫による爪の変形

 

原因・診断は?

加齢により膝の軟骨がすり減っていく(変形性関節症)のと同様なことが、手指の関節、特に第1関節(DIP関節)でもおこります。

この部位での変形性関節症をヘバーデン結節といいます。

原因は加齢の他、ばね指と同様にホルモンバランスなどの多因子と考えられています。

診断は、レントゲンで関節の隙間が狭くなっていることで確定します。

治療は?

テーピングが有効なことが多いです。

また、女性ではエクオール(サプリメント)が有効との報告もあります。

へバーデン結節の手術

関節固定術

へバーデン結節に対する手術は、関節固定術(第1関節が全く動かないように固定する方法)となります。

痛みが強くて日常生活での支障が大きい場合や、関節が曲がってしまって力が入らない場合に限られます。

水疱(粘液のう腫)は放っておいてよいの?

穿刺(せんし:針を刺して水疱をつぶすこと)をしてもすぐに再発してしまう、かといって手術もしたくない、ということがよくあります。

そのような場合、基本的には放っておいても構いません。

そのうち自然に潰れて治ってしまうこともあります。

ただし、潰れたところから細菌が入ってしまうと、細菌が関節まで達して化膿性関節炎となってしまうため、自己で繰り返し潰すのはやめた方がよいです。

粘液のう腫の手術

水疱の再発を繰り返し、見た目の改善を希望する場合には手術が考慮されます。

骨棘(こつきょく)・関節包切除術

ガングリオンと同じく、水疱(粘液のう腫)を切除するのみでは再発率が非常に高くなります。

水疱の根元の関節包ごと、場合によっては出っ張った骨(骨棘)ごと切除することで再発しにくくなります。

 

日本手外科学会 手外科シリーズ 5. ガングリオンから引用

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