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マレット指(腱性)

マレット指(腱性)とは?

つき指などにより、指の第1関節(DIP関節)を伸ばせなくなり、垂れてしまいます。

このような変形をマレット変形(または、槌指:つちゆび)といいます。

マレット変形では、自力では第1関節を伸ばす力が入らず、コントロールできなくなってしまいます。

原因は?

伸筋腱(しんきんけん:指を伸ばす腱)の断裂です。

ほとんどはつき指で生じますが、ちょっと何かが指に引っかかった程度でも生じることがあります。

日本手外科学会 手外科シリーズ 6. マレット変形(槌指)を改変

マレット指(腱性)の治療

マレット指(腱性)の治療は、スプリントによる保存治療が原則です。

スプリント固定を6~8週間続けます(最初の3週間はつけっぱなしで、その後は手を洗う時のみ外して可)。

保存治療による治癒率は80~85%程度です。

必ずしも完全にまっすぐになるわけではないですが、第1関節を伸ばす力が入りコントロールできるようになり、日常生活で支障なく使えるようになります。

陳旧例に対する再建手術

受傷から3週間以上経過したものを陳旧例といいます。

保存治療を行ったもののマレット変形が残ってしまった場合を含めた陳旧例では、腱移植などによる再建手術が選択肢となります。

陳旧性マレット(腱性)の再建手術

前腕より長掌筋腱(無くても支障がない腱)を採取して移植し、マレット変形を矯正します。

  • 麻酔:局所麻酔または伝達(片腕)麻酔を行います。
  • 手術時間:1時間程度となります。
  • 手術後の経過:手術後0~2週より制限つきで動かし始め、1ヶ月程度で制限なく使用できるようになります。

右の写真では、再建手術により変形は改善し、指が伸ばせるようになっています。

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