ガングリオン
ガングリオンの症状は?

手指や手関節などに出っ張りができますが、多くは無症状です。
物が当たったり、(手関節ガングリオンでは)手をついたりすると痛みが出ることもあります。
原因は?
関節や腱の近くであれば、手に限らずどの部位にもできることがあります。
関節包(関節を包む袋)から風船が膨らむようにしてでき、茎を通して関節と交通しています。
この交通は、関節からガングリオンへの一方通行(one-way valve)となっているため再発しやすいのです。
日本手外科学会 手外科シリーズ 5. ガングリオン を改変
診断は?
診断は、エコー、MRIにより風船のような腫瘤(しゅりゅう)が確認できます。
多房性(いくつかの風船に分かれている)のこともあります。
また、穿刺(針を刺す)によりゼリー状の液体が引けることでも診断できます。
エコー

ガングリオンは茎を通して関節につながっています。
MRI

多房性(2つの風船に分かれている)のガングリオンです。
治療は?
無症状であれば、必ずしも治療の必要性はありません。
自然に潰れて治ってしまう場合もあります。
特に小児では、多くの場合、自然消退(自然にガングリオンが無くなってしまうこと)します。
痛みがある場合、整容面(見た目)の改善を希望する場合には、まず穿刺を行うことが多いですが、多くは再発してしまいます。
その場合には手術が考慮されます。
ガングリオンは手術をしても再発するの?

手指のガングリオンの手術後再発は比較的少ないですが、手首まわりのガングリオンは手術後再発率が20~40%と報告されています。
ガングリオンを切除しても、茎が残っていると容易に再発します。
そのため、ガングリオンを茎ごと切除するのですが、茎が分かりづらいことも多いのです。